「世界新」に一番近いのは、やっぱりアイツだ!


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競泳男子の「派遣標準記録Ⅰ(6位)」「派遣標準記録Ⅱ(16位)」「日本記録」「日本人主要選手のベスト記録」、「世界記録」も書き出してみました。


三時間ほどかかりました(笑) 


競泳の場合、「高速水着」の時代が2009年12月まであったため、それ以前の記録はあまり参考になりません。


こうやって書き出してみると、「高速水着」があまり効果的でなかった種目が出てきます。


「平泳ぎ」と「長距離」です。特に「平泳ぎ」は日本人が得意なので、「世界記録」=「日本記録」だったりします。


反対に「50M自由形」と「100M自由形」は不得意で、「派遣標準記録Ⅱ(16位)」より「日本記録」が遅い。選考会で「日本記録」を出し優勝しても、世界水泳に派遣されない場合があります。



「派遣標準記録Ⅰ」を去年出した選手は、萩野(6種目)、瀬戸(3種目)、入江(2種目)、小関(200平泳ぎ)、古賀(50背泳ぎ)の5人。12個ものメダルが期待されます。


(ただし、50背泳ぎは五輪種目ではない。) 


…じゃあ「派遣標準記録Ⅱ(16位)」に広げたら、相当数メダルが採れるか?というと…

塩浦(50)、山本耕平(1500)、小関(100平泳ぎ)、小日向(200平泳ぎ)、池端(100バタ)、藤井(100バタ)、平井健太(200バタ)藤森太(200個人メドレー)。

8人8種目でした(小関はだぶり)。

藤井はパンパシとアジア大会の本番ではメダルがならなかった。

200個人メドレーに関しては二つしか枠が無い。瀬戸は4月の選考会では3位だったために、去年のアジア大会では代表になれず、この1月にベストを更新しています。

ので、8種目増えた、という訳ではない。現在は「派遣標準Ⅰ」を切っている選手の世界的な実力がすごい。

萩野の6種目の安定感は断トツ。


「平泳ぎ」は「世界記録」=「日本記録」なのに、小関はこれに及ばない。記録を持っている北島と山口が去年は不振だったのです。

しかし種目としては高速水着がもっとも及ばなかった種目なので、世界的に記録が速い。小関は短水路で2回、短水路の世界記録保持者のギュルタ(ハンガリー)と対戦したのですが、負けてしまいました。アジア大会では、無名ながら6秒もベストを更新したバランディン(ウズベキスタン)に三種目とも自己ベストより速いタイムで負けた。平泳ぎはヨーロッパの選手が速いのです。


今ちょうど東洋大がアメリカに高地トレーニングに行っていて、北島も同行していますが、これがどうなるのか。


いっそのこと、世界水泳でギュルタあたりに世界記録を破られたら、山口は楽になり復調するかもしれない。


「世界記録をだす!」と公言しているのが、入江と瀬戸。


瀬戸は現在は日本記録は持っていないのですが、世界水泳の400M個人メドレーに関しては、日本人初の連覇がかかる。また200バタに関しては、去年世界ベスト記録を出している。200バタに関しても、日本人初の金メダルがかかる。

数字としては「世界記録」に少し遠いのですが(笑)同じ年の山口が出した事で潰れてしまっている「世界記録」をあえて口に出しているのが強きです。


実際「世界記録」を出さないと金メダルが確実にならないのは「背泳ぎ」でしょう。入江にはクラーリー(米)とラーキン(豪)というライバルがいる。世界記録は2009年にピアソル(米・引退済み)のものなのですが、二人ともかなり肉薄した記録を出している。パンパシでは入江は200でクラーリーに負けた。

入江は2009年にピアソルの記録を更新したものの、「水着が未公認」としてFINAに後日世界記録を剥奪された辛い過去がある。(この記録はピアソルに更新された)。そして意外な事に入江には、世界水泳と五輪での金メダルの実績がないのです。

シルバーコレクター」返上するためにも「世界記録」を出したいところ。


…しかし、私が今回やっぱり「世界記録に一番近い選手」を挙げるとしたら…やっぱり萩野だと思いました!

萩野が6種目のうち、5種目が2009年12月以前の世界記録です。しかし、唯一更新された種目があります。

「200M個人メドレー」は、ライアン・ロクテが2011年に「1分54秒00」を出しているのですよ。

萩野の日本記録は9月の仁川アジア大会の「1分55秒33」。ちなみに瀬戸のベストはこの1月の「1分57秒08」。


12月のドーハの短水路選手権の時、萩野は現地入りしてから、瀬戸とロクテの行動が気になり、平井監督に叱咤された、と平井監督がコラムに書いています。


テレ朝の番組を見ると、成田で瀬戸が「世界新を出したい!」と語って、萩野にも質問されている感じ…


ロクテには8月のパンパシで既に対戦していたが…9月にまた自己ベストを出して、「世界記録」まであと0.33に迫った「10歳上の憧れのライバル」とまた直接対戦する事になったとしたら…


20歳の青年としてはドキドキするはず(笑)

「ロクテはまだ召集場に来ません。調子悪いんですかね?」「ロクテは棄権するんでしょうか?」と監督に言って叱られています(笑)


萩野は瀬戸にひと試合負けたものの、ロクテとの対戦は勝利しました。


平井監督は、北島と山口が「世界記録」を出したあと、どんなに苦しんでいるか知ってるから、萩野にはあまり意識させないようにしているのでしょう。


萩野の話題が初めて平井監督のコラムに登場したのは、12月のドーハの大会だったけれど、さすが文章には「世界記録」の四文字は封印してますね。


萩野が6種目でかなりハイレベルな事は分かっていましたが、今回書き出してみて、やっぱり彼が一番「世界記録」に近いのがわかり、良かったです。また彼の凄さが見に染みました。


でもロクテもロンドン五輪以降休まず現役で偉い選手だなぁ。

去年萩野は、自由形で躍進した。200Mと400Mの自由形の2009年以降の世界記録についても調べてみますか。


因みに日本代表の「派遣標準」を破りそうな選手は若い人に入って欲しい。希望を書いていると、今回のテーマである「記録を書き出す」作業から逸脱しするので、そろそろ止めます。