白鵬よ、孫子を読んでもっと嫌われろ!
週末「100分de名著」の「孫子」編と「老子」編を視聴した。
「老子」は現在静養中な私には必要ない感じ。
「孫子」は、講師の先生も素敵だったし(笑)「速効性がある!」という事。
「庄子」が中国人に受けが良いのはこのあたりなんですよ(笑)実際「孫子」の弟子に「庄子」という人がいたらしい。
「孫子」がなぜもてはやされたのか?というと、当時は戦国の世が拡大し、農民を徴兵し、にわか将軍が沢山出てきたので、マニュアルのようなものが必要だったそうだ。
野村監督や西武の森監督、上司の中にも読んでいる人はいるなぁと思った。
まず「戦というのは極力してはいけない。なぜなら民が疲弊するからである。」
「スパイ作戦、外交を充分にし、最後に兵を挙げろ。そしてなるだけ敵をそのままの形で手中に入れろ」
で、なるほどなぁと思ったのは
「戦というのは充分に準備をし力のある、勝つべきものがし、勝つものだから、武功には無縁なものである!」
「武功を立てる人」というのは、かなり劣勢を覆した人という事なのだが、孫子は元々情報や準備や兵力が不足している状態で戦いをするべきではない、といっているから、こういう人は頻繁に出ない、出るべきではない、と言っている。
大相撲って、取組ひとつは短いけれど、ひとつの場所は二週間。二週間もかかるスポーツって他にありますか?
私、お相撲さんってすごいなぁ!って昔から思ってる。
白鵬の魅力のひとつは、オリンピック選手の末っ子の、あまり体力的に恵まれなかったあどけないイメージを保ち続けているところにあると思う。気合いが入ったり、追い詰められても、決して閻魔みたいな形相にならない。猛烈な稽古量に裏付けがあるんだろうな。怪我をしてもどこを怪我しているか明かさないし、癒し系というか、すこしポワンとしたイメージに我々は騙されている。
朝青龍は頻繁にモンゴルに帰国し、奥さんにも出ていかれ、酔って店で暴れたり、弟子に暴力を振ったけど…(それでもちゃんと優勝していた(笑))
白鵬は、叩きどころが、懸賞金を片手で取るとか、優勝の翌日の会見を奥さんの流産の為にキャンセルしたとか、審判を批判したとか、毎日の記者の質問に答えないとか、だ。
審判を批判したのは、大鵬の記録を破った直後だったからタイミングが悪かった!が、あんま、大した事がないというか、ちょっとマスコミの対応が悪かっただけで、私生活の問題ではないですな。
やくみつるが「白鵬の朝青龍化」とか言ってたけど、それはマスコミが植え付けようとしてる因縁でしかないと思う。まだ帰化していない白鵬に対する差別でもある。いけないのは白鵬ではなく、横綱の独走を許す、他の横綱や大関たちだ。
「相撲の内容がわるい」という人々にキキタイ。横綱がいちいち時間のかかる大一番を取るべきだと言うのか。
「勝つべくして勝つものが勝利する様は武功がない。退屈だ」と2000年前の孫子が言っている、と白鵬は知っているのかな?知らなかったら誰か教えてあげて欲しい(笑)まだ「優勝」=「武功」目立ちたい‼誉められたい‼って思ったのかも。もう白鵬は「優勝が当然な退屈な横綱」なんだから、その辺はクールに振る舞って、少し憎々しくなっても良いかもね。
でも先場所の「審判批判」を覆すような立派な優勝で流石だったと思う。今回優勝を逃していれば、「審判批判なんかするからだ。やっばりモンゴル人だなぁ」ってさらにバッシングされたと思う。私はあまり協会やヨコシンのいう事は気にしない方なので。プレッシャーの中二週間集中した白鵬こそ偉い。
「本当、心配しましたよ~」
と言ったそうだ(笑)
横綱たちの方がずっと優れているのだ。