第91回日本選手権四日目&5日目のミドコロ

四日目はかなり盛り上がってキタ‼


「男子200Mバタフライ」
去年世界ランク一位のタイムを出した瀬戸に、メダリストの松田が挑んだ。

瀬戸は一昨年まではバタフライではなく平泳ぎにエントリーしていた。世界水泳短水路個人メドレーでは優勝経験はあるのに、日本選手権では去年から取り組んだこの種目で初優勝!という以外なプロフィールがある。

レースは、松田が自らの日本記録を上回る勢いで猛烈に先行したが、最後の50Mで瀬戸が冷静に抜いて、大学の後輩の坂井もこれに続き、二人が派遣標準を突破した。

坂井は、去年は代表入りしたが、それは6月に記録を切れての追加派遣だった。国体で予選落ちする等もしたようだが、冬から調子を上げてきたようで、今回は余裕の代表入りだった。

松田丈志は、2004年から続いた日本代表のメンバーからはじめて外れた。派遣標準を切れなかった事や、ペースワークなんかどうかと思うが、水泳選手からは果敢に攻めた松田を賞賛する声があがった。

4位には話題の18歳矢島。瀬戸と平井健太が20歳、坂井が19歳と、今後この種目の主要選手はかなり若くなりそう。


「男女50M自由形
女子は内田、男子は塩浦が優勝。「春以降ベスト更新がなく良いとこなし」と専門誌に書かれた塩浦の奮起を期待したが、日本記録の更新はならず。



「女子200M個人メドレー
渡部香生子が自身の日本記録を更新、メダル圏内に更に近いた事をアピールした。
2位は好調の清水咲子が入ったが、派遣標準は切れず。3位は高3の大本里佳。大本は兄二人も有力スイマーで、かなり美少女。人気が出そう。


「男子200M個人メドレー
順当に萩野が優勝したが、自身の日本記録は更新ならなかった。やはりロクテの世界記録を意識したとみられる。レースも瀬戸が上がってきた平泳ぎあたりから焦りが出て、記録が伸びなかったようだ。今大会は、種目を減らし、記録の向上を狙う作戦が、少し旨くいっていないかなぁ

一方瀬戸は、去年この種目に代表落ちした経験から、慎重に取り組んだようで、自己ベストを更新し、笑顔だった。200M自由形でもベスト更新、バタフライも連覇、で、萩野より生き生きしている様子だ。

世界水泳で優勝した400M個人メドレーの連覇を狙っているという瀬戸だが、かなり調子は上がっている雰囲気。萩野は若干400Mは苦手なようで?去年唯一日本記録の更新がならなかったのがこの種目だ。ひさびさだから更新出来るかもしれないが、萩野はちょっと疲労や弱みを見せると、瀬戸の気迫に負けちゃうようなところもある。日本記録が出れば萩野が勝ちそう。

400M個人メドレーの決勝は、最終日の最後に予定されている(笑)


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明日のミドコロ

「女子200Mバタフライ」
星奈津美の六連覇がかかる。


「男子200M背泳ぎ」
入江陵介の9連覇と、「萩野欠場の棚ぼた代表」を巡る争いが注目だ。

予選は、個人メドレーもやる白井祐樹が2位、100Mの代表をとった金子が3位、去年追加派遣の松原が4位。やや白井有利だが、三人とも流している印象を受けた。


「男子200M平泳ぎ」
大混乱。
予選は、1位立石(2分10秒台)、2位小関(2分11秒台)、3位渡辺一平4位渡辺隼人、5位小日向、6位山口。

準決勝は
1位小関(2分9秒台)、2位渡辺一平(2位9台で世界ジュニア記録)、3位立石(2位10秒台)、4位小日向。

派遣標準Ⅱは2分9秒台は必須、メダル圏内のⅠは2分8秒。(山口の世界記録は2分7秒01)

立石と小日向は9秒台の記録を持っているが、ここへ来て渡辺一平が派遣標準を切ってきたのが驚きだった。

渡辺一平は昨年のジュニア五輪の優勝者。191センチと、日本代表の誰よりも長身(小関が189センチ)。自由形もやっている逸材。

四月から早大に進学が決まっていたが、三月ぎりぎりまで大分県佐伯鶴城高校からレースをこなして調整していた。(普通は早く大学に合流するものらしいが)…その作戦が旨くいっているようだ。

渡辺一平が9秒台前半を出すと、かなりの番狂わせが起きるだろう。渡辺の出来不出来が、代表権者を左右しそう。


だから小関は、ベスト近くの2分8秒台を出さないと連覇が危ういと言える。準決勝のタイムを見て、安堵の表情をしたので、前評判と、前日の50Mの敗退でプレッシャーがかかっている様子。しかし優勝しないと「ポスト北島」の称号は得られない。ここが正念場だ。


水泳選手を父に持つ小日向(170センチ)は本番に強く、去年は日本選手権とアジア大会で自己ベストを更新している経験がある。特にアジア大会では、伏兵のバランディンが先行して焦る小関から銀メダルをもぎ取った実績もあるから、彼の性格の弱さも知っていると言えるだろう。

他の選手が長身で先行逃げ切り型なのに対し、ラスト粘るタイプ。初めて行った高地トレーニングの効果がでるかどうか。前回優勝者の意地も見せたい。


100Mの代表権を得た立石は余裕がある。メダリストから一転代表落ちを経験して怖いものなしのようだ。200Mで代表が少い場合は、出場チャンスが与えられるし(笑)…ちょっと立石のベストタイムを調べ切らなかったのが心残りだけど。

ほんと、渡辺一平にかかっているのだ(笑)

馬風に言えば
◎小関○立石△渡辺一平△小日向かなぁ

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明日の予選は、男女100M自由形、男子100Mバタフライなどが開始。100Mの上位4名は、4継メンバーとして世界水泳の代表権が与えられる可能性が高い。

藤井拓郎が、自由形にエントリーしなかったが、両方出場すると明日4レース、日曜も2レースになる。萩野たちはこなすけれど(笑)かなりハード。

藤井は7日にスボーツ紙に
「負けたら引退」と宣言。先輩の北島や松田がリオに未練を残す中、相変わらず我が道を行く感じ(笑)

藤井の所属チームのコナミは冬は海外合宿しない調整をとるが、先輩の崎本が50M平泳ぎで復活優勝したり、教室は違うけど、中学生の宮坂が表彰台に乗ったりして、調子があげあげ。

一昨年は、大会の三日前にぎっくり腰になりながら優勝したらしいので、「負ける」かな?