≪世界水泳カザン≫女子800Mフリーリレー★中学生旋風& 距離マルチ女王五十嵐 でガッツリ‼
女子中学生・高校生の件に関しては、当ブログにもお問い合わせが多いので、池江璃理子(中3)と持田早智(高1)が正式に代表に選ばれた
「女子800Mフリーリレー」について、
先週、男子メドレーリレー(男子混継)についてやってみたように、メダルラインを予想してみよう‼
男子混継については、世界記録も日本記録も、2009年9月の世界水泳ローマ大会の「高速水着時代最後」の記録が残っている。女子8継についてもおなじだ。
世界記録:7分42秒08
(中国)
日本記録:7分52秒42
(上田・山口・佐藤・北川)
しかし、2010年以降は、男子混継は銀メダルを獲得したロンドン五輪でベストタイムを出し、以降北島や藤井がいなくても「派遣標準Ⅰ」の記録をキープ、去年9月アジア大会ではロンドン五輪に次ぐ記録を出している。
けれども、世界的なレベルがあがっているので、ロンドン五輪や日本記録相当を出さないと、世界水泳カザンでのメダルが難しいのがわかった。
女子8継の2010年以降の記録
≪1位≫
○7分54秒56
(2012年ロンドン五輪予選)
上田・松本・高野・伊藤
≪2位≫
○7分56秒73
(2012年ロンドン五輪決勝)
上田・松本・高野・伊藤
(8位)
≪3位≫
○7分58秒15
(2013年世界水泳バルセロナ)
五十嵐・上田・宮本・高野
≪4位≫
○7分58秒43
(2014年アジア大会仁川)
五十嵐・宮本・松本・高野
上田春佳は「世界水泳バルセロナ」の後引退したが、去年はその穴埋めを新しいメンバーでできなかった感じだ。
しかし、好材料はたくさんある‼
4月の選考会(日本選手権)では、去年6位の持田と5位の池江が、ふたり揃って、去年代表の2位以下の記録を破ってきたのだ。
1位の五十嵐と高野の間には、差があったのだが、二人はそこに入ってきたのだ。
選考会では、五十嵐もベストを大きく更新している。
①五十嵐:1分58秒12
②持田 :1分58秒69
③池江 :1秒58秒77
④青木 :1分59秒80
ベスト:1分59秒48※
………
去年代表者
⑤松本 :1分59秒59
ベスト:1分59秒39★
⑥高野 :1分59秒89
ベスト:1分59秒29※
⑦宮本 :2分00秒14
ベスト:1分59秒44
………
青木と高野のベストは選考会前の2月の「コナミオープン」でのもの。松本のベストは2011年の選考会。宮本は去年の11月の大会で負傷したと言われる。
………
しかし、持田と池江の二人が、第一人者の五十嵐の記録に迫ったのは、リレーの記録向上についても大きい。
持田は「ルネサンス幕張」池江は「ルネサンス亀戸」で指導を受けていて、小学生の頃から競い合って記録を延ばしてきたそうだ。
今回の選考会のタイムを単純計算すると、
「7分55秒38」
となり、2010年以降のタイムとしては≪2位≫となる。しかし…
≪派遣標準記録≫
Ⅰ(6位):7分52秒12
Ⅱ(12位):7分56秒50
メダルラインはかなりレベルが高い‼
レデッキー(米)やキャンベル姉妹(豪)は、平気で1分56秒台で泳いでくるのが現実である。すごいとしかいいようがない。
………
200Mの第一人者、五十嵐千尋の強さはどこにあるのか?
それは、五十嵐は「中長距離」のスペシャリストだから。
昔からアメリカの女子では、エバンズ、現在のレデッキーなど、小柄な選手が1500Mで世界記録をつくり、800M、400M、200Mにシフトしてくる強化をしており、
日本でも、柴田亜衣や山田、藤野など、そういうやり方をしていたようだ。
五十嵐も去年は1500Mで優勝しており、2004年の山田や、2007年の柴田の記録を破ることが、2011年の上田の記録より先の目標と狙っていると思われる。
わたしはこれらの女子を勝手に≪距離マルチ女子≫と呼んでいるのだが…
五十嵐に水をあけられているものの、
やっぱり東洋大は、地田や菊池で実績をあげ、男子は松本を孫楊なみに強化中だ。
日本選手権で1500Mで優勝した、佐藤夏海もまだ高校生で
ベテランの松本や、代表経験者の高野や宮本の復活を考えると、
これからの五輪での「女子8継」は盛り上がりそうだ‼
来年以降、池江と持田が1500Mで佐藤と対決する事も有り得ない事ではないかもしれない。